FIELD DIARY / VOL.12
退去の前に、
どこまで直すか。
原状回復のガイドラインと、工事の前に確かめること
WRITTEN BY江添 智寛

賃貸の部屋を退去したあと、次の入居に向けて部屋を直す。これが原状回復の工事です。
「原状回復」は、入居したときの状態に完全に戻すことではありません。どこまでを誰が直すかには、目安があります。
GUIDELINE国のガイドラインの考え方
貸主の負担
年月がたつことによる傷み(経年変化)や、ふつうに暮らしていてできる傷み(通常損耗)。たとえば、日焼けによるクロスの変色、家具を置いた床のへこみなど。
借主の負担
不注意や故意でできた傷、ふつうの使い方をこえる汚れ。たとえば、物を落としてできた床の傷、手入れを怠ってできたカビなど。
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方をもとにした、おおまかな説明です。実際の負担は、賃貸借契約の内容(特約)によって変わります。
ON SITE原状回復の工事の前に、職人が確かめる5つのこと
- 01
契約書と特約
どこまでを誰が負担するか、契約書に決まりがあるか。工事の範囲は、ここから決まります。
- 02
入居時の記録
入居したときの写真や記録があれば、もとからあった傷かどうかが分かります。
- 03
部分補修か、全面か
クロスを一部だけ張り替えると、まわりと色が合わないことがあります。部分で直すか、面で替えるかを考えます。
- 04
次の入居者
次の方に貸すことを考えて、この機会に直しておいたほうがいい場所はないか。
- 05
工期
退去から次の入居まで、何日あるか。工事の順番と日数を、その期間に合わせます。
Q&Aよくある質問
- 店舗やオフィスも、同じ考え方?
- 国のガイドラインは主に住まいを想定したものです。店舗やオフィスは、契約で「入居前の状態に戻す」と決めていることが多いので、契約書の確認から始めます。
- 大家さん・管理会社からも頼める?
- はい。入居者さま・大家さま・管理会社さま、どちらからのご相談でも、現地を見てから工事の範囲をご提案します。
- 見積もりの前に、何を用意すればいい?
- 契約書(特約の部分)と、入居時の写真があれば、範囲がはっきりします。
もめない原状回復は、工事の前に範囲を決めている。





